Xでも投稿したがこちらにも。
著者の赤川さんは株式会社groovesの提供するエンジニア転職サイトであるForkwellの方なので、そのこれまでの膨大なデータと知見をもとに書いたらしい。
というわけで以下、読んでの感想など。
なお、僕自身は転職の経験は何度かあるが転職活動自体はしたことがないので、どちらかというと採用する側の目線感で読んだ。
まず、全編を通してエンジニアの転職および給料などについてXなど世間一般でよく言われることが理屈として説明されてるといえる。これはサブタイトルにもある「2万人」というデータをもとにした分析なので実際そうなのだろう。感覚値として近いものを持っていたが、それがデータで裏付けられているのは意味があると思う。
なお、本書はあくまでも転職者側の目線で書かれているため、希望する転職を叶えるにはどうしたらいいかということが多分に書かれていて、いずれもしごく最もだとは思うものの、一方で採用者側からするとなかなか評価が難しい部分でもあるよなと読んでいて思った。例えば、設計力とか実装力に関して言及されているが、これらを経歴上で表現することは確かに大事だが採用側で実際のところどうなのか確認をしようとすると実際に働いてみないとわからんというところもある。もちろん質疑の中で本当にできそうなのか確認するし、スキルテスト等で見るケースも多いだろうが難しい。そもそも設計力とかって定量的に図ることができないのである。
さて、本書を読んで思ったのは全体的に20代から30代前半の人にはとても参考になりそうということだ。というのもこれらの年代は今後のキャリアをどう築くか、自身のキャリアを良いものにする手段としての転職という側面が強いからでもある。そして、そのためにどうすればいいかがわからない世代でもある。なので、本書のように多くのデータをもとに示されているのは間違いなく参考になると思う。
一方で、もっと上の年代がこの本の内容に頼るとしたらそれはやばいと思う。なぜなら、30代後半以上にもなったら自分なりのキャリア感としては一定持っているべきだろうしここで書かれている内容は転職に限らずエンジニアの成長曲線として必要とされているようなことばかりだから。つまり、おそらくどの会社でもジュニアからミドル、シニアと上に行くにあたって多かれ少なかれ求められているようなものなのである。なのでそれが自分で整理できていないのは危険信号だと思う。
そして、後半の内容は初めて転職する人にとってはとても参考になるはず。職務経歴書のテンプレートとその書き方の指南までされているのである。応募書類にこんな職務経歴書があったらどれだけわかりやすいことか。全エンジニアは参考にしてほしいし、仮に自分が今から普通に転職活動をする場合は大いに参考にしようと思った。これは単にわかりやすいので書類選考しやすいというだけでなく、経歴書がここまで整理して書かれていれば面接の限られた時間でもう一歩踏み込んだ深いところを聞くことができるようになるのだ。
全体を通しての感想としては、「ITエンジニアの転職」というテーマでよくここまで網羅的に書けたものだと思う。そう、とても網羅的なのだ。個人的には採用する側として参考になった点も多いし、メンバーの育成の観点でも参考になったといえる。
というわけで転職を意識している人、これは直近で考えている人だけでなくいつかはと思っている人も一読するといいと思う。
