コードの海からビジネスの大陸へ。COOに挑戦します。

Xなどではすでにお話ししていますが、2024年6月17日から株式会社DELTAという会社のCOO(最高執行責任者)を務めています。

この投稿では会社のロゴ画像のみ投稿したのでティザー広告みたいで何をするのかさっぱりわからないってお声をたくさんいただいたので簡単に紹介しておきます。でも本題はそこじゃないです。

今回はなぜ僕がこういう選択をしたのかという話です。

DELTAって?

株式会社DELTAはエンジニアのためのプロフェッショナル組織を標榜している集団で、AWSなどのクラウドのコスト削減を完全成果報酬でやったりしています。

今年の2月1日に僕が主催した伝説のイベント、『 第1回 AWSコスト削減 天下一武道会』でスピーカーのトップバッターとして強烈なインパクトを残した丹哲郎の会社です。

何をやるのか

COOです。今回の件でよくみなさんに驚かれるのですがCTOではありません。

COOなのでその責務はビジネスサイドです。もう少し端的に伝えるならばDELTAという会社の売上をあの手この手で増やす仕事です。そのための組織も整備します。

つまり、今回は自分のキャリアでも初めてエンジニアリングが自分の責務ではないという新しいチャレンジになります。

なんでやるのか

もともと自分はこれまでソフトウェアエンジニアとしてプロダクト開発に携わっていた時もそのプロダクトをどう作ってどう売るのか、顧客を獲得していくのかといったいわゆる事業開発っぽいことをしてきていましたし、AWS時代にサーバーレスのスペシャリストソリューションアーキテクトとして活動していた頃はサーバーレスの関連プロダクトを日本市場でどう売っていくか、いわゆるGTM (Go To Market)を考えたりしていました。その後、プロトタイピングのチームを立ち上げたときも直接的な売上ではないものの同じようなことをしています。

なのでソフトウェアエンジニアとしての活動を主軸としつつも同時にプロダクトやサービスをどういう風に広めるのか、売っていくのかというのを考えて実行するという機会にも恵まれ続けていました。

実際に去年の振り返りでもこの辺りの話に触れていますので興味があれば読んでみてください。

今さらながら2023年の振り返りと2024年の展望。CTOとは。 - Sweet Escape

なお、この投稿の最後にも書いてることをもう少し補足すると、30歳くらいからはソフトウェアエンジニアとしてソフトウェアを作る行為そのものではなく、「モノを作って売る」という行為に興味の対象が徐々に移ってきていました。 ここでの「モノ」はこれまではソフトウェアサービスであったり、ソフトウェアプロダクトだったりしたわけですが最近はもはやソフトウェア以外の「モノ」も興味の対象です。

ちなみにこのブログにもあるこれまでの所属会社における南米事業についてはその後既存ブラジル法人のメンバーからのヒアリングをもとに事業の進め方を見直し、新しいプロダクトを開発して進めたことが功を奏したのか一気に成果が出つつありますし、当初描いていた次の段階へも予定通り進められつつあります。

新プロダクトのキーとなる技術要素はWASMなのですがこの辺り現状の課題に対して実現手段も含めて戦略を立ててプロダクト開発を進められるのはエンジニアバックグラウンドであることの利点だと思っています。

なお、このプロダクトについては開発初期の手元での技術的な検証とレビュー以外はコードを書いたりの実装そのものにはタッチしないようにしています。

とはいえこのブログを書いた半年後に別の会社のCOOもやることになっているとは全く想像していませんでした。

経緯

きっかけは分かりやすく誘われたからです。

もともとDELTAおよびDELTAの所属するSEVENRICH GROUPの面々とは全く面識がありませんでした。ただ、社長の丹哲郎は僕のことを知っていてくれたようです。

そんな中僕がした以下の投稿を見た社長の丹さんから凸DMが来ました。これが約2年前。

内容はちょうど前後して今のコスト削減のサービスである「CTO booster」を始めたので意見を聞きたいというものでした。基本的にこういった要望にはスケジュールの問題がない限り全てお応えするというポリシーなので全く面識はなかったもののお話ししました。 実際とても興味深いサービスで色々と偉そうに感想や意見をお伝えしてその場は終わったことを記憶しています。

その後特に音沙汰はなくちょうどほぼ1年後にまた丹さんからDMが来ました。曰く「前回と違って実績も100社積んで出直してきたぜ(だいぶ意訳)」ってものでして改めてフィードバックをということで今度は対面で会ったのです。

自分がやっていることや、グループのことを含め色々聞く中での印象は、グループ全体としては色々とやっているのでともすれば何をしてるのかよくわからないな、社長の丹さんのキャラクターはなかなか面白いな、とかそういうものでした。

一方で色々とやれる余地があるが手が回っていない、アイデア不足、タレントを活かしきれていない、自信のなさ、リソース不足から来るであろうブランディング不足といったものも感じました。

で、そんなこんなで最初は社長でありCTOでもある丹さんの技術的な壁打ち相手、相談相手って感じだったのがどんどんと事業戦略に関する具体的なアイデアやアドバイスを中心に話すことが増えてきたのです。

そんななか、年末にリーダークラスの人たちの紹介と忘年会を兼ねてみんなと飲み会に行ったのですが、この飲み会の場でこれまでも常に丹さんの傍らにいて参謀的な役割だったYさんのSEVENRICH GROUP全体の理念や事業に対する考え方のプレゼンテーションにとても感銘を受けたのが鮮明に記憶にあります。それはまさに僕のあれこれやりたいという志向性にもとてもマッチするものでした。

そしてあの伝説のイベントがあります。これは丹さんたちとのやり取りを受けてこのテーマでイベントをやると面白そうというアイデアが起点になっています。イベント自体の集客の話とかどうプロデュースしていったかの話については今回の本題とはずれるのでこちらを参照してください。YouTubeもあります

さて、イベントが終わって1ヶ月後に彼らから具体的な誘いを受けます。これまでのアドバイスやアイデアを実際に実行するまで見てくれないか、と。組織のこの部分に入ってこういうことをやってほしいと実際の組織図を見せられながら説明されました。勝手にオファーします、と。

そしてさらにその1ヶ月後に改めてオファーされたのです。この時のプレゼンにもとても感銘を受けました。僕のどこを評価してくれていて、なぜ来て欲しいのか、来て何をして欲しいのかがこの先のビジョンも含めて彼らの言葉で綴られていたのです。具体的な条件も示されていました。

とはいえ当時は別の会社でCTOをしていたのですぐにお受けできるような話ではないです。そういう状況ではあったのですがとある会社でCOOをしている知人と会話する中で落としどころや色んなタイミングが重なりやろうと決めた次第です。 この辺りの「色々」は本当に色々あるのですがこんなところで話せる内容でもないので興味のある方は飲みの席ででも。

CxOをやるならなぜCTOじゃないのか?と聞かれることがあります。その理由はシンプルでDELTAのCTOは代表の丹哲郎が務めていますし、その部分では困っていません。つまり、CTOなら彼がいるので僕は不要だと思っています。

僕がDELTAに入った理由は彼ら2人とDELTAという会社のポテンシャル、SEVENRICH GROUP自体の可能性です。

不安はなかったのか

前述したようにエンジニアであること以上にそもそも「モノを作って売る」ということ自体が好きです。一方で「モノを作る」という行為自体も好きではあります。

ただ、僕の年齢でこの先20年を考えたときに正直なところソフトウェアエンジニアとしてのキャリアの行く末に疑問を持ち始めていたところでもあります。具体的にはよく言われるように技術だけで食っていけるのかというのもありますし、そもそも自分は他社と比べて技術力に特別秀でているわけでもないという自覚があります。そんななかでキャリアの最後までエンジニアで居続けるというのがあまりイメージしづらくなっていました。また、自分の性格的に好奇心が強く、いろんなことをやりたくなってしまうことからするとこの先1エンジニアとして過ごすことにも窮屈感を感じていました。

これはあくまでも僕自身に対する僕個人の考えですが、ソフトウェアエンジニアとして上を目指すのであればソフトウェアエンジニアとして技術力で突き抜けるか掛け算のキャリアが必要だと思っています。これはソフトウェアエンジニアだけの話しじゃないかも知れません。突き抜けるか掛け算のキャリアを持つことで人材としての希少性やユニーク性が生まれるのではとも考えています。残念ながら自分の場合は突き抜けられそうもありません。

エンジニアバックグラウンドだからこそできる事業開発というのもあるでしょうし、商材的にこれまでのエンジニア人脈は多いに役立つことでしょう。

そういった意味でも今回は自分の可能性の幅を広げるという意味でいい機会だったと言えます。不安もゼロではないものの、プレッシャーとして楽しめる範囲ですし僕を迎え入れてくれたメンバーを見ているとなんとかなるんじゃないかなという気もしています

最後に

そんなこんなでジョインしてから3週間、楽しく過ごしています。

人と人との縁は不思議なものです。一昨年前に丹さんがDMで凸してきたときは2年後にこういうことになるとは思ってませんでした。入ってからの今もこれまでの縁により、DELTAの事業として新しいチャレンジが出来ているところもあります。

これからも縁とチャレンジを大事にしていきたいと思います。

ちなみにソフトウェアエンジニアであることをやめるわけではありませんし、技術に対してはこれまで通り向き合っていきたいと思います。

©Keisuke Nishitani, 2023   プライバシーポリシー