存在意義と存在価値

この記事は以前にnoteで書いたものを転載したものです。

実はこのnoteはタイトルと幾つかの内容を書いたまま放置していたものだ。

書こうと思ったきっかけはもはや詳しくは覚えていないが、とある話をもらったのがきっかけだったことは記憶している。ただ、せっかくなのでその時の下書きを一部活用する形でタイトルに関する今の考えをここに記す。

まず、存在意義と存在価値とはなんなのか。正直細かな言葉の定義や違いについてはわからない。ここを深掘りしすぎると哲学的な話にもなっていきそうなので、ここでは自分がとある組織(主に自分の勤める企業)において存在することの意味があるかないか、そして存在することでなんらかの価値を生み出しているかという観点で話をしたい。一方で存在価値は存在に価値があるかないかであって、ないからといってマイナスではない。というわけで主に存在意義について自分自身の考えるところをポエムとして吐き出していく。

さて、僕は今年43歳になるIT関連の外資系企業にTechロールで勤める人間だ。Techロールといっても自社のプロダクト開発に携わっているわけではなく、カスタマーフェイシングな業務がメインのエンジニアチームのマネージャをしている。

そんななか、とある会社のとある方がとあるポジションでうちを受けてみないかと誘ってくれた。で、まあいわゆるカジュアル面談的なことをして色々と話を聞いたり質問したりをしていたんだが、だんだんと自分にやって欲しいこと、つまり求められていることと自分のやりたいことにギャップを感じたこともありタイトルのような考えにいたった。ついでに言っておくとこの話は終了した話であり、今ならもう話しても大丈夫だろうと思って書いている。ここでは相手のこともあるのでその詳細については触れない。ただ、その話をきっかけに僕が感じたことについてだけただただ吐露していく。例によって答えなどない。

端的に言うとその方が僕を評価してくれたポイントは僕としては本業として考えている部分ではなかったのだ。自ずと期待値もその評価してくれたポイントに基づいたものなので僕の望む方向性とは違うものだった。 これはこれでありがたい話だし、贅沢なことを言っているのはわかっている。自惚れるな、という人もいるだろう。でも現職で特に不満がない中での話なのでそこはやはり選ばせてもらいたいところだ。 だが、ここで自分の『存在意義』とは?と思うに至ったのである。つまり周りが評価してくれている自分と自分自身のやりたいこと、自己評価とのギャップである。

さて、僕は現在エンジニアチームのマネージャをしていると言ったが、このポジションがまた悩ましい。というのも僕はさしてエンジニアとして優秀なわけではないと自認している。人より秀でたスペシャリティがあるわけでもない。ぶっちゃけ、マネージャとしても別に優秀ってわけではない。いつもチームメンバー見たり、周りのマネージャとか見ていてすごいなーと思っているレベル感である。

言ってはなんだが、優秀な人を集めるべく採用活動をしてきたのだから当たり前ではあるのだがチームとして成熟してきたときのマネージャーとしての気持ちの持って行きどころには正直悩む時がある。ていうかもやる。

プレイヤーもやればいいという意見もあるだろう。でもこの意見には少し反対で、いわゆるテックリードならともかくピープルマネージャーでもあるのでそうすると結構雑多な業務やレポートなどに忙殺されがちでもある。そして僕のチームの仕事はソロワークではなくどちらかというと2,3人1組で対応していく感じのある意味チームプレイだ。 そこに僕みたいなのが入るとスケジュールの調整が難しくなったりワークロードの問題だったりで確実にボトルネックになると考えている。なので僕はここ最近はマネージャーに徹するようになった。

この話自体が僕が特別たる存在じゃないことを如実に示しているとも言える。めちゃくちゃ仕事が速かったら、あっという間に完璧な実装を行える技術力の持ち主だったらこんなことはないだろう。

もしかすると、僕のことを知っている人であればそんなことはないとか言って慰めてくれる人もいるかも知れない。特にサーバーレス界隈の人とか。でも、それについて言うならば僕自身がサーバーレスに可能性を感じて活動をしてきたのは間違いではないが、一方で僕自身が生み出したものではないという引け目みたいなものもある。いわば、他人のものに乗っかっているだけのような感覚だ。登壇とか人目につく以外の部分も含めて日本におけるサーバーレスの立ち上がりに少なからず貢献できたとは思っているものの…という感じである。

結果、自分の代わりはそこら中にいると思えてくるのである。そういう意味では世にいる人達、年齢に関係なく尊敬するエンジニアだけでなく、営業やマーケ、起業家、いろいろいるけどそういった中にはとてもユニークな存在がいてそういう人になりたいとは思うけどなれないのが現状だ。誤解のないように言っておくとインフルーエンサーになりたいと言っているわけではない。悪しからず。

そんなこんなで常々、所属企業に価値があるのであって個人としては価値がないのだろうと思っている。

決して病んでいるわけではない。

ぶっちゃけ、僕みたいな普通の人たちはみんな感じていたり、不安に思っていることなんだろうと思ってる。

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